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不妊の予防

不妊の予防

日常健康な生活を営んでいる男女では、「いつでも子どもをつくることができる」と思い込んでいる場合が多いものです。しかし、不妊は現在の自分の健康状態と無関係な原因によって起こるやっかいな病気だということを忘れてはなりません。不妊の原因の中には、以下のように適切な知識を持って予防することが可能なものもあります。個人個人が「不妊予防」という自己防衛を実行する必要があります。

精神的ストレス

環境要因による高度のストレスによって、活性酸素の増加、末梢循環障害、免疫力の低下などが起こり、ホルモンバランスや生殖機能が障害され、排卵が抑制されることが報告されています。ストレスの予防は非常に難しいものですが、エクササイズやその他の趣味を取り入れて上手にストレスを軽減しましょう。

喫煙習慣

喫煙は卵巣や精巣機能にとって有害であり、障害の程度は喫煙量と喫煙期間に依存すると考えられています。タバコに含まれるニコチンや他の化学物質が排卵に関係するエストロゲンや他の卵巣ホルモンの産生を抑制したり、卵子の遺伝子異常を引き起こし卵胞閉鎖過程を加速させ早発閉経を起こすともいわれています。女性だけでなく、男性でもニコチン濃度に応じてベンツピレンなどの環境変異原物質が付着し精子のDNAを断片化することが知られています。
 
不妊治療における最近の報告では、喫煙者はIVFでの妊娠の成功率が非喫煙者の半分になるというデータが出ています。また、妊娠しても、流産してしまう可能性が非喫煙者よりも高くなるというデータも出ています。
 
やめたいけれどやめられないという方は当院の系列の泉レディースクリニックにも禁煙外来がありますので、受診してみてはいかがですか?

体重因子

女性因子の不妊の約12%は肥満またはやせによるものと考えられています。卵胞の発育や排卵等の過程に関与しているエストロゲンは、脂肪細胞で産生されています。肥満女性の場合このエストロゲンの過剰が卵巣性ステロイドの産生を抑制することにより妊孕性を低下させていると考えられます。逆にやせの場合には、十分量のエストロゲンの産生が脂肪細胞から得られず、性周期は不規則になり、早発閉経になる可能性もあります。適切なBMI(20~25)を保つことが重要です。
※BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))

性感染症

一般的な性感染症として、クラミジア、淋菌、梅毒、性器ヘルペス、毛じらみ、HIVが知られていますが、これらの性感染症では特徴的な症状が少ないので、感染していることに気付かず、適切な治療を受けずに不妊症などの後遺症を残し、他人に再感染させる恐れがあります。特にクラミジア感染症は、卵管炎や骨盤腹膜炎の主要原因であり、不妊の原因になっています。

加齢

女性は約100万個の卵子を持って生まれてくると言われていますが、徐々に閉鎖卵胞となり思春期には30万個ほどになります。それ以降も卵子は新たに作られることなく、卵子数は加齢とともに着実に減少すると言われています。また、加齢卵子では染色体異常の頻度が増加し、その結果流産率が加齢とともに上昇すると考えられています。
 
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